北海道の空の玄関が新千歳空港であることは、みなさん御存じでしょう。表記上は札幌(千歳)ですが、札幌市では無く千歳市にあって札幌駅まではJRの快速エアポートで40分ちょっとかかります。札幌市にはマイナーな丘珠空港があります。ANA(運航は子会社のエアーニッポン)は丘珠空港から道内へ就航していましたが、2010年に撤退して道内路線を新千歳空港へ集約しました。
丘珠空港は地下鉄東豊線の終点である栄町駅から2キロ圏内にあります。丘珠空港まで東豊線を一駅分延伸すれば、札幌駅まで15分程度で結ぶことができます。福岡空港と博多駅(6分)には及ばないものの羽田空港と東京駅、伊丹空港と大阪駅(梅田駅)よりも便利になります。
ANAが丘珠空港から撤退した理由は明らかで採算がとれないからです。丘珠空港は滑走路が短くジェット機は着陸できません。プロペラ機で運航する道内線しかなく利用する人は札幌都市圏の人に限られます。羽田や伊丹から新千歳空港を経由して道内各地に向かう乗り継ぎ客には道内路線を新千歳空港へ集約した方が便利なわけです。
札幌市はANAに要望書を出していますが、滑走路を長くしたり増やせなければ丘珠路線の存続は営利企業であるANAにとって受け入れないのは当たり前です。地方活性化を掲げるのであれば国に丘珠空港の有効利用について再考して欲しいす。騒音や用地買収に伴う住民の反対については、丘珠空港ができた当初、周辺は一面畑だったはずなので、後から来た人が強硬に反対するのもいかがなものかと。移転費用を北海道や札幌市が負担して理解を求めれば良いと思います。
ANA撤退について(札幌市公式)
丘珠空港は大都市から札幌周辺へのビジネス顧客中心に取り込み、道内移動と乗り継ぎ顧客は今まで通り新千歳空港を使えばすみ分けが可能です。ビジネス客は運賃の価格よりも札幌駅に近い時間的な利便性を重視すると考えられるため、丘珠空港の開設路線は札幌(丘珠)⇔東京(羽田)、名古屋(中部)、大阪(伊丹)、福岡の4路線に限定して運賃を新千歳発着便よりも若干高めに設定すれば採算も取れると考えられます。
丘珠空港の改修や地下鉄東豊線の延伸、周辺住民への補償等で札幌市の財政は一時的に圧迫されますが、長期的には地下鉄東豊線の採算が大幅に良くなることで財政は改善されることでしょう。私の実家は新千歳より丘珠の方が近いため、個人的には丘珠空港路線のANA復活と羽田便の創設を希望します。
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